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靴磨き=泥だんご?
2003.12.9 東京店:北 執筆
今年もあっという間に師走になりましたが、皆さんいかがお過ごしですか。
きっと足下の靴を見るゆとりもなく日々の仕事に追われてしまっているのではないでしょうか?それが師走ですからいたしかたないですね。
さて、
今回はそんな忙しい方にもちょっとコーヒーブレイクを...と思い靴にまつわるお話 靴の可愛がり方をご紹介したいと思います。
お仕事の合間にでも是非ご覧下さい。

さて、どんなお話かというと、前回「靴とスーツの関係」の最後でこんな画像を出しておりましたが私と荒井さんの靴は全く同じにも関わらず色が微妙に違う!と言う所から始まります。

それではちょっとアップにした画像を見てみましょう。
左側が荒井さんの足(靴)、右側私の足(靴)です。
サイズを除けば2つとも全く同じブラウンのモンクストラップです。

どうでしょうか?ご覧になって違いが直ぐお分かりかと思います。
荒井さんを悪く言うわけではありませんが、比較してみると左が艶がなく、の方がテカテカしていますし、それにちょっと色が濃いですよね。

実はコレ、私がオリジナルの色に細工をしたのです。
決して荒井さんの手入れが悪いわけではありません!(しっかり先輩のフォロー!!)

こんな風になったのはなぜでしょうか?

それは....靴を磨くときに油性ワックス(焦げ茶色)を使っているからなのです。

当社のワックスは『ビーワックス(Bee Wax)』のみですがそのビーワックスは蜜蝋が主成分のため保革栄養効果は高いのですが、光沢となるとどうしても油性ワックス(油分が主成分のワックス)に比べテカリ具合で負けてしまいます。
私には、もうちょっと光沢感が欲しかったのです。

また、靴というのはただ単にピカピカに光らせれば良いのではなく手持ちのスーツと色がマッチしてこそ靴もスーツも良さが映えるものですよね。
でも、給料が安く(こんな事言って良いのかな?)茶系のスーツやベージュ系のスーツがワードローブにない私にこの靴は微妙〜に赤茶すぎて、折角社販で安くしてもらったこの靴ですが合わせるスーツがなかったんです。
それで光沢感と共に色をちょっと落ち着かせようと思ったのです。
それでは、どんな風に色艶をつけたか、早速ご紹介しましょう!
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< 最初 > 補色クリーム』のダークブラウンを全体的に塗って・・・
< その次 > それを1時間放置(時には一日放置)
<それから> ひたすら磨く!  ・・・ということをしていたのですが、せっかちな性分と相まって、なかなか色が変化しないのに我慢出来なくなって・・・
< 最後に > 日焼けのようにジワジワ色を変えるのではなく、女性のお化粧のような感覚でワックスを塗る方法を採りました。
それで仕上がったのが先の画像右の状態。

さて、
ここでもう少し深く靴磨きについてお話ししましょう。

靴を磨く時のワックスが違うと言うことは判りますが靴の磨き方はビーワックスで磨くのと何か違いがあるのでしょうか。

基本的には『お手入れの方法』に掲載されている内容(下表)と近いのですがちょっとだけ違う部分があります。
1. 靴を脱いだら、ブラシで埃を払います。
2. デリケートクリーム』で革に栄養を与え、保革します。
3. 少し退色しているようでしたら補色クリームを塗りこみます。
4. 透明な『ビーワックス』をブラッシングで延ばし、仕上げに柔らかい布で光沢を出します。
5. 水分を吸収してくれる木の『シューツリー』で型を整え、休ませます。

用意する物は左から時計回りにデリケートクリーム、補色クリーム、油性ワックス、 ポリエステル(石油系の布)の布きれ、綿の布きれとコットンパフ(水に適度に濡らす。)
綿の布きれとポリエステル(石油系の布)の布きれは当社生地部門で使えない余った布をちょっと拝借....

★☆★ちょっと一言・・・なぜポリエステル?★☆★
で「ポリエステルなどの石油系の布」と特定していますが何故でしょうか?
私も結構細かいですね。
ええ、「まにあ」ですから。。。(^^;)
それはポリエステル(石油系)の布がこすれると摩擦熱が綿などの他の布と比べると発生しやすいのです。
そしてこの発生した熱で革についたワックスが溶け革表面の凹凸がワックスで埋まり、なだらかになるため光の反射率を高め良く光る様になるのです。
だから、よくストッキングなどで磨くと良い等と聞かれるのがこれがその理由です。

さすがにお客さまの目に触れる物や商品に対し、使用済みストッキングを使う訳には行きませんので、だからポリエステルの布なのです。
靴をご購入いただいたお客さまにはご希望とあらばいくらでもありますからサービスしますね。
さて、お手入れ方法ですが(上表と重複してスミマセン)
1. 外から帰ったら 靴を脱ぎ、乾燥剤を入れてブラシで埃を払います。
2. 汚れを十分に落としたら『デリケートクリーム』で革に栄養を与え、保革します。
3. 少し退色しているようでしたら補色クリームを全体に塗りこみます。
4. しばらく置いたあと、ワックスをつま先と踵に塗ります。
ここで注意したいのは、
歩いたときに靴が曲がる部分にワックスを付けない方が良いと言うことです。
これは、油性のワックスが皺などに入り込み、革に好ましくない状態になってしまうからです。
革は汚れが溜まると行きを出来なくなってしまいますのでヒビ割れやカビの原因になります。
5. ワックスを綿の布きれを使って塗り1時間位置いても良いですし、1日置いても良いです。
(この際にワックスを手で扱うと指の温度でワックスが溶けて指紋が革表面に残ることもありますので注意してね。)
6. 次にポリエステルなどの布でひたすら磨き上げます。
7. 再度ワックスを塗り、適度に湿らせたコットンパフをワックスと馴染ませるように磨いていきます。
仕上げにポリエステルの布きれでフィニッシュです。
8. 最後は『シューツリー』で型を整え休ませます。

あとは、5〜7を気が向いた時に行えばさらに色が濃くなりピカピカになります。



しかし、何ゆえに靴好きな人はそんなに靴を磨くのでしょうか?

良く聞くフレーズで
靴を磨け、自分を磨け
靴を磨くことは自分の心も磨く事だ。』...等々、わかったような、わかんないような....
比較的、靴を磨くことと心を磨くことがセットになった言葉が多いですが、偉い人は何故そんなことを言うのでしょう?

漠然とそんな事を考えていた時私はNHKのとある番組で今、巷の保育園や幼稚園などで流行っている「泥だんご」を見ました。
そこには、子供たちが土と少量の水を混ぜ泥だんご作りに勤しむ無邪気な子供達の姿がそこにあって、その姿を見ると「大人の靴磨き」は「子供の泥だんご」と重って見えてきました。最初はただの土の塊がきめの細かい仕上げの土を使って手で撫でて、磨いていくと黒光りしていくのです。

靴も先程の述べたように表面をポリエステルの布きれで磨くとその摩擦で熱が発生し革表面のワックスが溶け、凹凸がなだらかになり光を反射させるようになるのです。
泥だんごも仕上げの土+少量の水が靴のワックスと水といえるのではないでしょうか?

その当の子供たちはブランコに乗ってもすべり台で滑っていても片時もその小さい手から泥だんごを離しませんよね。
それは、あたかも自分の分身のようです。
でもそこは、やんちゃな子供。ちょっとしたきっかけで泥だんごを落としてしまいます。

最初はショックを受けていて泣き出す子供もいましたが立ち直りが早いのも子供です。直ぐに新たな泥だんご作りに励んでいます。
その表情は真剣な顔つきですが楽しそうで安らかな表情をしています。

一方、大の大人達はピカピカに磨かれた靴を踏まれてショックを受け、その日の仕事が手につかないなんて類の話もある位です。

かくいう私もその一人で最近(というか毎日なんですが)満員電車でもみくちゃちゃにされ折角の靴のお化粧が取れてきてしまいました。
出勤前だというのに自分はフラフラ、靴はボロボロです。

そんな飲んでもいないのにボロボロのが画像がこれです。
ところで靴好きは靴=自分の分身を磨いている時どのような表情をしているのでしょうか。

子供たちのようにはっきりとは表情に出ないのかも知れませんが真剣に楽しく、磨いている事は同じです。
何か時を忘れて夢中になれることって良いことではありませんか?

磨く必要もなくても、会社の上司や同僚との軋轢、友人関係のいざこざ等いやな気分の時に頭を空っぽにして靴を磨くのに没頭するのも悪くありません。

ふと気が向いた時に、気分転換に靴を磨くのをお薦めいたします。
年末の忙しい一時、忙しいからこそ是非どうぞお試し下さい。