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『Made in Edo』の精神
2005.05.24 東京店:荒井 執筆
吹き抜けるが心地よい季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
当社がエトスクラブの靴の展開の準備を練り始めたのが2年前の丁度この季節。
振り返ってみますと、5品番のラインナップで開設した当HPも、お陰さまで10品番まで増やすことが出来ました。
これは、ひとえに皆様からのご声援と、エトスクラブとその職人さんのお力添えがあってのことと厚く感謝申し上げます。

さて、今回の新着情報では原点に立ち戻って、靴底に刻印された『 Made in Edo 』と言葉に込められた精神についてご紹介したいと思います。

■□■ 『 Made in Edo 』の精神 ■□■
『 Made in Edo 』というと、私などは下町の職人さんの技と人情のようなもの連想しますが、皆さんはいかがでしょうか?

エトスクラブの小松氏曰く、『 Made in Edo 』とは
「江戸という文化圏の中で伝統的に受け継がれてきた職人の技と思想粋な振舞い
によって作られているとのことですが、“職人の技と思想”とは、一体どんなことなのでしょうか?

★☆★ 職人の技と思想に考えること。 ★☆★
エトスクラブでは、現在の日本の製造業の行く末を真剣に危惧しています。
「海外から情報を吸収した日本は、代わりに独自の文化・哲学といった大きなものを失ってしまった。」
「生産拠点の大部分は海外に流失してしまい、職人さんによる一流の手仕事が一つ二つと消えていくのは時間の問題である。」
つまり、欧米式の「マニュアル化」した物作りといったシステムに支配され、日本的な職人気質に基づく優れたモノ作りである“職人の技と思想”が次第に消えつつあるのです。
このことは当社の本業であるスーツの縫製においても近い状態があり、オーダースーツのヨシムラとエトスクラブが協力関係にあるのも、こういった共通の危機感があるからです。

そして更に、エトスクラブは“職人の技と思想”を日本のモノ作りを継承する為に欠かすことの出来ない要素として企業理念に掲げているのです。
この“職人の技と思想”ということは、ちょっと難しいのですが、エトスクラブの小松氏お勧めの本、中山正和著「カンの構造」で詳しく論じられています。
ここでは、その部分の要約をご紹介いたします。
職人の技とその思想

日本的な「師匠の弟子」の関係は、弟子を育成するとはいっても最初は下積みとして身の回りの世話や小間使いのようなことばかりさせると言います。
師匠の芸や技を学びたいという弟子の気持ちをよそに「言わず語らず」「肌で感じろ」と、毎日「掃除しろ」「茶を入れろ」「肩をもめ」ということばかりです。
一見、非合理な指導方法ですが、実は欧米式のマニュアル教育では成し得ることが出来ない良さがあります。
それは、弟子が師匠から何とか技術を習得しようと、懸命に“カン(勘)”を働かせて盗み取ろうと自ら物事に取り組む姿勢がつくということ。
そうして、師匠の芸や技を獲得し、時として師匠の芸や技をも超えてしまうような能力を生み出してしまうこともあり得るのです。

職人たちの技と思想”とは、子を想うが故の厳しい親心のようなもなのかもしれませんね。
このような日本的な師弟関係こそが、自らの技術の向上しようとする優れた職人気質を持てるのではないのでしょうか?
そして、職人の“粋な振る舞い”ということについてちょっと考えてみました。

★☆★ って何だろう? ★☆★
「真面目なことは当たり前。当たり前はつまらない。
     皆が出来ないことを出来るから喜んで貰えるんだよ。」
エトスクラブの小松氏は、我々にこのことを口癖のように話されますが、これがエトスクラブの“粋”な靴作りの本質ではないでしょうか。
そう考えると、エトスクラブの斬新なデザインは、正に“”だといえますよね。

職人の“粋な振る舞い”も、これと同じではないのでしょうか?
つまり、豊かな感性で皆が真似できない職人技を磨こうとする姿勢が“粋な振る舞い”を生み出すのだろうと思うのです。


エトスクラブは世界中の職人さんから吸収してきた靴づくりを、この“職人たちの技と思想”“粋な振る舞い”というフィルターを通し、日本のみならず広くグローバルに世界中へ感謝の念とともに恩返したいと考えています。

そしてエトスクラブの“Made in Edo”という刻印にはこういった思想がその背景にあることを是非皆さんもご理解いただければ幸いです。

それ故、完成まで1〜3ヶ月と、時にはお客様にもご不便を掛けますが、便利さ・効率さという発想からは生まれない技術の伝承や粋な振る舞いのための所作ですので、どうか寛大にお受け止め下さい。

皆さんも昨今のイタリア物ブームにはない(であろう)こういったEdoの思想に触れてみてはいかがでしょうか?
是非一度お試し下さい。