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インソールについて
2005.08.16 東京店:荒井 執筆
 『指(踵)の靴ずれが痛い』
       『夕方になると足が疲れる』
              『革靴は出来ることなら履きたくない』
靴を取り扱っている私達にとって、靴の履き心地や足へのフィット感はとても大切な要素ですが、意外と多いのは、のような思いをされている人が世の中には多いこと。
このようにお感じになっている方にとっては革靴を履くことは苦痛以外の何者でもないですよね。

そこで今回の新着情報では、こういったお悩みの原因を探し出す一助になればと思い、足の『アーチ構造』と足トラブルの関係、更にはインソール(中敷)の効用について触れていきたいと思います。

そこでまず、ご質問...
皆さんは日常生活で靴に(足に)どれ位の負担が掛かっていると思いますか?
実は、二足歩行で歩く人間の足には、一歩踏み出す毎に片足へ体重の1.5倍(体重60キロの人で72キロ)の荷重が掛かると言われています。
我々の歩数は一日に一万歩近く歩く訳ですから、簡単に考えても体重60キロの人なら
72キロ×10,000歩×0.5(片足)=のべ片足360トン です。
毎日相当な負担が掛かっていますね。

そしてこの日々の重量を支える足は、つま先から踵までが土踏まずをくぼみにたわんだ『アーチ構造』でもって支えられていますので、まずはこの辺からご案内したいと思います。

 ■□■ 歩きを支えているアーチ構造 ■□■
この様に日々の膨大な重量を支える足を詳しく見ると『3つのアーチ構造』で構成されています。

そしてその3つのアーチとは次の3つを指します。
1. 内側縦アーチ・・・足の親指の付け根と踵を結ぶアーチ
2. 外側縦アーチ・・・小指の付け根と踵を結ぶアーチ
3.横アーチ ・・・親指と小指の付け根を結ぶアーチ

我々の足はこのアーチ構造がバランス良く機能することで、足に掛かる衝撃を緩和し、身体のバランスを取り、歩くなどの運動を支えているのですが、3つのアーチ構造の中の一つでもアーチが崩れますと、十分にその役割を果たせなくなってしまいます。
歩き方にも変調を及ぼし、足のトラブルの原因にもなってしまうのです。

例えば上記1.土踏まずのアーチが崩れると、偏平足状態になるだけでなく、血液循環が悪化し疲れやすくなります。
逆に、この内側縦アーチが高い凹足の人は、足の甲が高くなり靴に圧迫感を感じることになります。

また、小指の付け根と踵を結ぶ2.外側アーチが崩れると、歩行の際足に掛かるな重心の流れが上手く運ばれなくなり歩き方がO脚気味になったり、小指側にタコや魚の目が出やすくなったりします。

そして、3.横アーチが崩れると今度は開張足の状態になりこちらもタコや魚の目が足の底に出来やすくなって痛くて歩けなくなることすらあると言います。
:画像には○が5つありますが、これは足の指とお考え下さい。


ここでちょっと一言:タコや魚の目とは・・・
タコや魚の目は、長期間にわたって足に圧迫や摩擦が繰り返されている部分の皮膚が、足を守るために起こす防御反応として角質が増殖したもの。(これだけが原因ではありませんが...)
 タコや魚の目が出ている部分は、足が靴と激しく衝突しているという信号ですから、これを無視して外科的に治療しても同じ所からまた同じ症状が起きる可能性が充分あります
ですから、それを引き起こす原因を探った上で治療すれば症状は改善します。


このように『アーチ構造のゆがみ』は足のトラブルの原因を引き起こしやすいものと言えますが、次にそのゆがみを解消する「インソール(中敷)」についてご案内いたします。

 ■□■ インソールで、アーチ構造のバランスを整える ■□■
靴屋さんの店頭では、土踏まずのアーチを支えるタイプ、横のアーチを形作るタイプなど、様々な形状のインソールが置かれておりますが、これらはいずれも足の『アーチ構造』のバランスを支える役割をします。
そして、正しいインソールを使用し、足の力が平等に分散されると、崩れてしまったアーチを支える筋肉や靭帯が再び形成されるだけでなく、アーチのバランスが回復する効果も期待出来ます。

個々の足の様々な要因がありますので、一概にどんなインソールを入れるべきなのかは申し上げることは出来ませんが、足にトラブルをお感じの方は、ご自身の足にどんな特徴があるのか?じっくりとご覧になってみてはいかがでしょうか?
色々試しても履き心地などが改善しないようでしたら、一度専門家の方に診て貰うことも良いかもしれません。

以上、足のトラブルの原因の一つとして『アーチ構造のゆがみ』についてご案内いたしましたが、次に 「足の前滑り」といった別の視点からご案内いたしましょう。

 ■□■ 足の「前滑り」について ■□■
「足が靴の当るべきところでしっかりと固定されなければ、足のトラブルを引き起こしやすくなる」
・・・エトスクラブの小松氏とよくこのことで話し合いますが、足に合う理想的な靴には
踵とボールガース(親指の付け根と小指の付け根を通る、一番幅の広い部分)で足に吸い付くようにフィットし、つま先に十分な余裕(捨て寸)があること
...これが大切です。
足をボールガース部でキチンとホールドしている靴であれば問題はないのですが、サイズが大きかったりして、ボールガースのホールドが無い靴を履いた場合、靴には空間(遊び)が出来てしまい、その行く先は前傾姿勢で歩く以上、靴の先端部の狭いところに滑り込んでしまいます
このことを専門的には『前滑り』と言って、具体的には画像にあるようにつま先部分の色を塗りつぶしてある部分に滑ることを言います。

このようにボールガースでのホールドが無い靴ですと、足が「前滑り」を起こしてしまいまうだけでなく、歩くたびに指や踵が靴の内部のあちこちに衝突しこれもまた、足トラブルの原因となるのです。

そこで1つローファー靴を使って具体例を挙げてみたいと思います。

 ■□■ 踵で固定する ■□■
まず、画像をご覧下さい。
これは、以前お客様よりご依頼をお受けしたローファー靴(右足)のお直しですが、中を覗いて見ると...赤丸で強調した部分に足の指が靴に当ったためこの部分が損傷していますが、これは靴が明らかに足が前滑り現象を起こした結果です。

そこで、お直しに併せて踵の手前部分を盛り上げるインソール調節を施しました。
具体的に言うと、画像内朱書きでブーメラン型にくくった部分を高くすることで、足の前滑りを押さえるのです。
靴にはそもそも一般的に2.5cm程度ののヒールは付いているため、自然に立っているだけでも構造的に「足が前に滑りやすい」状態になっています。
そこで、このように踵を押さえ込み、前に行こうとする力を封じ込めてあげるようなインソール調節は意外とも思えるほど、効果が出ます。

いかがですか、皆さん、こんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんでしたか?
もし、こんな悩みの方が多くいらしたら、こんなインソール商品化したら面白いかも知れませんね

今回の新着情報では、足の『アーチ構造』や『前滑り』、インソールのことも触れながらご案内いたしましたが、靴の履き心地を知る上でご参考になりましたでしょうか?

最後になりますが、このような足や靴の構造を語る前に、まずチェックしていただきたいことがあります。

 ■□■ 靴紐をしっかりと結びましょう ■□■
正しい靴の履き方・紐の結び方については、新着情報にて度々ご案内してきましたが、皆さんは靴のフィット感を調節する為に付けられている「靴紐」の機能を十分活用していますか?
正しい靴紐の結び方エトスクラブ:靴オーダー会』では、踵を靴にぴったりとつけて靴紐を結ぶポイントについて
靴に足が入るということは?』では、我々の足が夕刻になるに従って足に血液が溜まり大きさも変わってくることを説明させていただいています。

我々の足は、その日の体調や時刻によって常に変化しているのですから、正しい歩行をするためには、一日の内に何回か正しく靴紐を結び直すこともとても大切なことです。

意外なことに、本来であれば良い靴・楽な靴であるのに、正しい履き方をしなかったり、足の状態に合わせて靴紐の結びを調節しない為に、履き心地を損なっている方は数多くいらっしゃるものですよ。
まずは皆さんもご自身の靴の履き方・靴紐の結び方からチェックしてみて下さい。

それではまた!