TOP PAGE新着情報>ブログならぬブローグ!
Ethos Club


新着情報

.
ブログならぬブローグ!
2005.10.18 東京店:北 執筆
10月も半ばを過ぎると、朝晩と冷え込む季節ですね。
スポーツの秋、食欲の秋、紅葉と、様々な顔のある秋ですが何と言っても我々洋服業界はお洒落の秋です。
特に今秋は政府発令?のウォームビズ効果でファッション熱が高まり、セレクトショップや百貨店ではウォームビズを意識したコーディネートを多く見受けられようになりました。

当社もその恩恵に与っているのかハリスツィードの出足が好調です。(*^_^*)>
パッチポケットのジャケットやノーフォーク仕様のジャケットなどお洒落なジャケットのニーズが高まっています。

ビジネススーツの方はブリティッシュテイストがにわかに脚光を浴び始め、ウォームビズと相乗効果でスリーピースの人気が高まり、雑誌媒体ではしきりに脱クラシコイタリアを煽っております。
デザインは2つボタンが主流ですがバリバリの英国ブリティッシュではなく、イタリア物の柔らかい生地を使いゴージラインも高いままで全体的にタイトなシルエットがトレンドのようです。

さて、そんな英国復古の中で先述したハリスツィードに合う靴と言えば...
ズバリ、スェードですね。勝手な決めつけでしょうか...
靴もこれ見よがし的なロングノーズよりも英国らしさをベースに兼ね備えつつ、少しだけノーズが長い靴が見受けられます。
コーディネートはハリスツィードのジャケットに起毛したフランネルのパンツ。そして足元はスェードシューズ。
王道ですが今年の秋冬にこのコーディネートは外せません。

デザインはプレーンな物よりもメダリオンパーフォレーションが施された靴が断然オススメ。
メダリオンやパーフォレーションが見た目にボリューム感を出し足元が落ち着いて見えます。
ツルッとしたスムースレザーの革も良いですがこの季節にしか履けない色とスェード素材が何と言ってもイチオシでしょう!

■□■ 靴担当:北より一言・・・ ■□■

で書きましたメダリオン? パーフォレーション?何それ?という方も多いと思いますので補足説明です!

メダリオンとは?
メダリオンとは、画像の通りアッパー=靴の前面、特につま先部分に小さい穴で紋様を形作っている部分を指します。
パーフォレーションとは? □
一方、パーフォレーションとは大きい穴と小さい穴を組み合わせて見た目に変化を付けている意匠をいいます。
これを交互に繋げて靴の革縁の曲線部分に使用したりストレートチップのようなつま先の革部分に使用したりすることが多く、フルブローグはこれを全面に施すことでボリューム感を出しています。

ブローグとは?
ブローグとは、前述したメダリオンとパーフォレーションを施した靴のことを指し、その名の由来はスコットランド・ゲール語で靴のことを表すブロッグから派生したと言われ、これが今日のブローグとして受け継がれています。

話が少し逸れましたね。
それでは元の話題に戻りまして、このようなメダリオンやパーフォレーションを施したブローグは何故これが生まれたのか?
その意図や目的、効果などについて考えてみましょう。

■ ブローグの目的とその効果 ■

まずは靴の歴史から紐解いてみましょう。
ブローグが生まれたのは日本より遙か彼方はスコットランド。
メダリオンなどは最近でこそ装飾的に用いられておりますがその頃は実用最優先で施されていました。

... というのも、スコットランドやその周辺国であるアイルランド、イングランドといえば気候的には荒涼とした湿地帯が広がり、ぬかるんだ土に灰色の空が思い浮かびます。
もちろん塗装された道路があるはずもありません。
足元の方も、ゴム長靴はあるはずもない時代でしたので当然は革靴です。
たっぷりと水を含んだ土の上を歩けば、自然と靴に水分が浸透し、やがて靴内部が濡れてきます。

一人一人に革靴が何足もあるような時代ではありませんので1足がとても大切な靴です。
当然ながら水分を含んだまま履いていると傷みも早いですし、どうしたら乾きを良くできるか思案したに違いありません。

そこで、先人の靴職人達は水はけを良くする為にフラットな表面に小穴を施し、つま先を2重の革で覆い、尚かつ水滴が落ちやすいように全面に小穴を施しました。
小穴を開けることで水が表面に広がるのを防ぎ、水はけを良くし、更に小穴が革内部の通気性を高め、雨の後でも気にせず履ける靴となりました。

靴底も1枚底では水気を直ぐに吸ってしまいますのでより厚いソールが求められダブルソールになり、革底とアッパーを縫い合わせているコバの部分も水が入らないように繋ぎ目をカバーする仕様になりました。

更に、もっと悪路の湿地帯の泥沼では、靴は踝まで沈みますから普通の短靴よりも長靴=ブーツへと変化するのは必然で、当店のチャッカーブーツにもこの辺が見て取れます。

た、昔は今ほど革を鞣す技術が発達していなかったので、革には今より脂肪分が残り、天然防水加工の役目を果たしていました。
そう言えば、こんな土地柄の代表素材ハリスツィードも羊毛の脂分を脱脂せず糸にして生地を織っていますからこちらも防水性があります。
画像は水を弾くハリスツィードとフルブローグ。やっぱり同郷なんですね、特徴が良く似てます。

こうして防水等を主目的に作られたブローグは、その後イギリス本国の靴職人にデザインとして受け入れられ、街靴での装飾として使われるようになりました。
またそれに加え、英国ならではなのでしょう、昔の靴と言えばスーツ同様誂える物でしたから、英国紳士達がメダリオンに自分のイニシャルなどを彫ることでその地位を表そうと競い合い、デザイン性がより豊かになって行くのでした。

イギリスでは、レジメンタル(ナナメ)のネクタイやタータンチェックは自分の身分や出身を表すと言われておりますのでメダリオンにも相通じる物がありますね。
ですからイニシャル入りのメダリオンはある種の家紋と同じなのです。

ところで、そんなメダリオンやパーフォレーションですが、実際にお使いになってこんな不便さをお感じになった方はいらっしゃいませんか?
穴飾りに入ったゴミや汚れはどうしたら良いの?
ブラシや布でとっても取りきれないし...
ほっとけばいいやと思うこともありますが...そんな時は諦めず是非これを使ってみてください!
そ・れ・は... 日本のお父様に絶大なる信頼のある... toothpick=楊枝です。
楊枝!!? と思われるかも知れませんが意外と役に立つのです、これが!!

特に、メダリオンやパーフォレーションにワックスやクリームなど入ってしまった時、掻き出すのにその威力を発揮します。
画像は左がお掃除前、右がお掃除後です。
(分かりやすくする為、多めにワックス塗りました (^_^;)

今まで気にしていなかった人は是非この機会にお試しください。


以上、
靴担当の北より、ブログではなくブローグについての話題でした。

日増しに秋深まる今日この頃、移りゆく自然の色合いに靴も合わせて見てはいかがでしょうか。